ジョブメドレーは、求人を出して応募を待つだけでは効果がでにくい媒体です。成果を左右するのはスカウト(施設から候補者へ直接アプローチする機能)で、その送信数は2026年1〜3月の3ヶ月だけで491万件にのぼります。ただ、候補者を探し、文面をつくり、送り、返信に対応するこの運用は、専任者のいない施設には重い作業の連続です。
そこで検討されるのが、この運用を外部の専門チームに委託する採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)です。
本記事では、ジョブメドレーの採用代行について、任せられる範囲・費用の仕組み・失敗しない選び方を解説します。
💡この記事の要点(TL;DR)
- ジョブメドレーの料金: 掲載料・月額費用は0円で、採用が決まったときだけ費用が発生する成功報酬型。採用単価は職種・雇用形態で変わる
- なぜ代行が増えるか: スカウトメールは毎月200通まで無料で送れるが、候補者検索・文面作成・送信・返信対応の工数が重く、専任者がいない施設では回しきれない
- 選ぶときの最重要ポイント: ジョブメドレー上での代行運用は、規約に沿った正式な採用代行パートナーでなければ行えない
- 返信率を決めるのは送信のタイミングではない: 「月初がいい」「夜がいい」といった通説に運用を寄せるのはなく、丁寧にデータを分析し、効き目がある変数を守って運用するべき。返信率を大きく動かすのはスカウト文面とターゲットの精度
ジョブメドレーとは?
ジョブメドレーは、医療・介護・保育・ヘルスケア分野の専門職に特化した求人サービスで、53職種を取り扱っています。 看護師・介護職・保育士・医療事務・歯科衛生士・リハビリ職など、施設の運営に必要な職種を1つの媒体で横断して探せる点が特徴です。看護師専門、介護専門といった単一職種のサービスとは成り立ちが違います。
採用側から見た特徴:医療ヘルスケア従事者の約3割が登録している
登録している従事者会員数は319万人です(2026年3月末時点。メドレー2026年12月期第1四半期決算説明資料)。国内の医療ヘルスケア領域の従事者は約1,000万人とされているので、その約3割が登録している計算になります。
採用側の規模も大きく、42.2万事業所が顧客となっています(2025年12月末時点。メドレー2025年12月期有価証券報告書)。医療ヘルスケア領域の事業所全体115.5万事業所のうち、約37%にあたります。
ただし、同じ資料には「これらの顧客事業所のうち約半数が掲載事業所」とも書かれています。契約していても、実際に求人を出していない事業所が半数あるということです。求人オープン、クローズのタイミングも各事業所あるだと推察されます。掲載されている求人数は47.7万件となっています(2026年3月末時点)。
ユーザー側から見たジョブメドレーについて:オリコン3位など求職者の中で一定認知されている媒体
求職者側の調査も見ておきたいと思います。
2026年のオリコン顧客満足度調査「転職サイト」の職種別・医療/介護/福祉系部門で、ジョブメドレーは69.1点・3位でした。 利用者からは、求人を職種や地域で絞り込みやすいこと、応募先とメッセージで直接やりとりできること、電話連絡に追われず自分のペースで転職活動を進められることが評価されています。
職種別に見ると、介護職での存在感が確認できます。介護職経験者122人を対象とした2026年の調査では、79人(約64.8%)がジョブメドレーへの登録経験を回答しました。 カイゴジョブの84人に次ぐ2位で、介護ワーカーの78人ともほぼ同水準です。ただしこの調査は複数回答で、回答者が転職経験の多い層に偏っているため、介護職全体の利用率を示すものではありません。読み取れるのは、複数の求人サービスを併用する介護職にとって、ジョブメドレーが有力な選択肢の一つになっているということです。
採用側にとって、この点は無視できません。スカウトは、登録している候補者がいて初めて成立します。 候補者側から見て実際に使われている媒体かどうかは、送ったスカウトが誰に届くかに直結します。
一般の総合転職サイトと違う点
ジョブメドレーの成り立ちを理解するうえで重要なのが、職種の構造です。メドレー社はそもそもこの事業の狙いとして、医療ヘルスケア従事者の約1,000万人のうち医師・看護師・薬剤師の3職種が約21%を占めており、残りの約79%の職種を得意とする競合企業がほとんど存在しない市場であったこと、その上で、まずこの領域でトップシェアの獲得を目指し、結果として実現したと説明しています(2025年12月期決算説明資料)。
つまり、他の媒体では求人が薄くなりがちな職種——歯科衛生士、ケアマネジャー、生活相談員、言語聴覚士、柔道整復師、視能訓練士といった職種——に厚みがあります。近年は医師・看護師・薬剤師の領域でもシェアを広げています。施設の採用担当者から見ると、複数の職種をまとめて1つの媒体で募集できることが実利になります。
スカウトが前提の媒体になっている
採用側から見た機能の中心はスカウトメールです。求人を掲載して応募を待つだけでなく、施設側から条件の合う候補者へ直接アプローチできます。
ジョブメドレーの資料によると、スカウトの送信量は増え続けています。
時期 | 四半期のスカウト送信数 |
2022年10〜12月 | 174万件 |
2023年10〜12月 | 243万件 |
2024年10〜12月 | 337万件 |
2025年10〜12月 | 445万件 |
2026年1〜3月 | 491万件 |
(メドレー各期決算説明資料より。数値は各四半期の送信件数)
3年半で約2.8倍です。 候補者一人ひとりの受信箱に届くスカウトの数が増え続けているということでもあります。
ジョブメドレーの費用・料金の仕組み
ジョブメドレーは、掲載料・月額費用が0円で、採用が決まったときにだけ費用が発生する成功報酬型の媒体です。 求人を出すだけ、スカウトを送るだけでは費用がかからず、採用が成立して初めて費用が発生します。成果報酬の価格は職種と雇用形態ごとに設定されています。
この成果報酬は、職種によって違いますが、おおよそ入職者の年収に対して3〜12%にあたります。一般的な人材紹介会社の20〜35%と比べると、業界平均から5〜8割低い水準です(メドレー2025年12月期有価証券報告書。常勤ベース、看護師・保育士・理学療法士・歯科医師・介護職のレンジ)。
この価格を実現している理由は、人材紹介会社が対面で行っている面接同行や書面調整といった業務を、ウェブサービスとオンラインのサポートに置き換えることで、業務効率を高めているからです。
採用が決まるまで費用がかからない点で、応募が読めない施設にとって始めやすい形です。ただし、成果が出るかどうかはスカウトの運用次第で、ここに手が回らないと「掲載しているのに採用ゼロ」という状態が続きます。採用代行やRPO全般の費用相場は、医療・介護の採用代行(RPO)11社比較|職種別の選び方【2026年版】でも解説しています。
ジョブメドレーを自前で運用する大変さ(=なぜ代行が増えるか)
スカウトの運用は、候補者検索・文面作成・送信・返信対応という一連の作業を、継続して回し続ける必要があります。 ジョブメドレーの採用代行が増えているのは、この運用が片手間では成り立たないためです。
実務では、次のような工程が毎週発生します。
- 検索条件を組んで、条件の合う候補者を探し出す
- 候補者ごとに刺さるスカウト文面をつくる
- 送信し、返信の来ない相手には条件を見直して再送する
- 返信が来たら、面接調整まで素早く対応する
さらに、送りっぱなしでは改善しません。実際の運用では、職種ごとに返信率の仮説を立て、事前の想定の送信量に達したタイミングで、仮説の返信率に届いているかを確認し、届いていなければすぐ改善に入る、という振り返りのサイクルを回すことが必要です。専任の採用担当がいない施設で、この一連を片手間で続けるのは現実的ではありません。ここを外部に任せるのが、ジョブメドレーの採用代行です。
ジョブメドレーの採用代行とは(何を任せられるか)
ジョブメドレーの採用代行と一口に言っても、これには2つの意味があります。1つ目は、医療や介護分野を得意としている採用代行会社(RPO)が、ジョブメドレーの運用やスカウト送信を代行するケースです。そしてもう1つは、実はジョブメドレーを運営するメドレー社自身もRPO事業を行なっており、本体が採用代行をするケースもあるということです。ここでは前者について主に記載を進めていきます。
ジョブメドレーの採用代行とは、候補者検索・スカウト文面の作成・送信・返信の一次対応・振り返りといった運用を、外部の専門チームに委託することです。 どこまで任せるかはサービスによって幅があり、スカウト送信だけを頼む形から、返信対応や面接調整まで含めて任せる形まであります。
近年は、候補者の経歴をAIで評価し、一人ひとりに合わせたスカウト文面を自動で作成して送る「AIスカウト」を運用に組み込むサービスも増えています。人手だけでは追いつかない検索と文面作成を効率化する狙いです。AIを使った採用代行の全体像は、AI RPO(AI採用代行)とは?従来RPOとの違いで解説しています。
採用代行と人材紹介の違い
採用代行としばしば混同されるのが人材紹介です。人材紹介は、紹介会社が候補者を紹介し、採用が決まったときに成功報酬(理論年収の20〜35%が相場)を払う仕組みです。これに対し採用代行は、ジョブメドレーなどの媒体運用そのものを代行する仕組みで、自施設の名前で募集し、選ぶのは施設側です。人材紹介は「候補者を連れてきてもらう」、採用代行は「自施設の採用力そのものを外注する」と整理すると分かりやすいです。
費用の水準も違います。前述のとおり、ジョブメドレーの成果報酬は年収比3〜12%です。人材紹介の20〜35%と比べると、同じ「採用できたときに払う」仕組みでも、金額の桁が変わります。
ジョブメドレー採用代行を選ぶときのポイント
ジョブメドレーの採用代行を選ぶときに見るべきポイントは3つ、〈①ジョブメドレー上で代行できる正式な立場か ②費用の型と総額 ③どこまで代行するか〉です。特に①は、他の媒体の代行にはない、ジョブメドレー固有の確認事項です。
① ジョブメドレー上で代行できる正式なパートナーか
最初に確認すべきは、そのサービスがジョブメドレー上で運用を代行できる正式な立場にあるかです。 ジョブメドレーは2026年に「採用代行パートナー規約」を新設しました。この規約に同意し、社内審査を通った事業者でなければ、ジョブメドレー上での採用代行に正式に関わることができません。
料金の安さや実績の多さをうたっていても、そもそもジョブメドレー上で正式に代行できる立場になければ、運用は成り立ちません。契約前に、ジョブメドレーの採用代行パートナーであることを確認してください。
② 費用の型と総額(最低契約に注意)
代行の費用は、大きく「月額固定型」と「成果報酬型」に分かれます。月額固定型は採用数にかかわらず毎月一定額がかかり、多くは最低契約期間(3ヶ月・6ヶ月など)があります。成果報酬型は採用が決まったときだけ費用が発生します。月額固定型のなかには、月あたりの作業時間に上限を設け、超過分を時間単位で追加課金する形もあります。
ここで見落としやすいのが、ジョブメドレー本体の成果報酬と、代行の運用費用は別という点です。代行を使う場合、ジョブメドレーへ払う成果報酬に加えて、運用代行の費用がかかります。月額だけ、あるいは1件だけで費用を比較するのではなく、最低契約期間まで含めた総額で見てください。
③ どこまで代行するか
代行の範囲はサービスによって違います。スカウトの文章作成か、スカウトの送信代行なのか、返信の一次対応まで含むのか、面接調整まで任せられるのか。自施設で手が足りない工程はどこかを先に整理し、そこを埋められるサービスを選ぶと、費用と効果が噛み合います。なお、候補者に合わせたスカウト文面の作成・送信代行のような業務を依頼するには、有料職業紹介事業の許可(職業安定法30条)を持っている事業者にしか依頼ができません。依頼する業務の範囲とあわせて、許可の有無も確認してください。
関連記事:RPO(採用代行)とは?費用相場・メリット・業務内容・選び方を徹底解説の許可の章を参照
ジョブメドレー運用でよくある通説と、現場の実感
スカウト運用には、現場でよく語られる通説がいくつかあります。ここは、実際にジョブメドレーで採用代行を行う立場から見た見解を記載させていただきます。
「月初は返信率が高い」——こうした送信タイミングの通説が存在しますが、弊社がデータを分析している限りは、過度に運用を寄せる必要はない、ということが見えてきています。 返信率を大きく左右するのは、より強い別の変数が働いており、たとえばスカウト文面(候補者のインサイトと文章構造が噛み合っているか)といった点は代表的なものの一つです。
まとめ
ジョブメドレーは、掲載も月額も0円で始められる一方、成果はスカウトの運用次第です。運用は候補者検索・文面作成・送信・返信対応の連続で、専任者のいない施設では回しきれず、採用代行の利用が広がっています。
選ぶときは、①ジョブメドレー上で代行できる正式なパートナーか、②費用の型と総額、③どこまで代行するか、の3点で見てください。
医療・介護・福祉の採用代行会社を横断して比べたい場合は、【許可番号つき】医療・介護の採用代行(RPO)11社比較|職種別の選び方【2026年版】もあわせてご覧ください。
著者について
宮前 貴史(株式会社プロリク )
大学卒業後、個人事業主として約5年半にわたり、BtoC・BtoB領域で営業から企画・運営までを一気通貫で経験。その後、ベンチャー企業にて採用担当として制度設計に従事し、さらにRPOサービスの立ち上げ責任者として、スカウト業務の仕組み化から実践までを牽引。プロリク参画後は、その豊富な実務経験を活かし、ITエンジニアのスカウト業務を中心に複数クライアントの採用成功を支援している
よくある質問(FAQ)
Q: ジョブメドレーの採用代行は規約違反になりませんか?
ジョブメドレーは2026年に「採用代行パートナー規約」を新設しました。この規約に同意し、社内審査を通った事業者が行う代行は問題ありません。逆に、審査を通っていない事業者は、ジョブメドレー上での採用代行に正式に関わることができません。契約前に、採用代行パートナーであることを確認してください。
Q: ジョブメドレーの採用代行の費用相場は?
ジョブメドレー本体の成果報酬と、運用代行の費用は別々にかかります。ジョブメドレーの成果報酬は入職者の年収に対して3〜12%で、職種と雇用形態ごとに価格が設定されています。運用代行の費用は月額固定型か成果報酬型かで異なり、最低契約期間を含めた総額で比べる必要があります。
Q: ジョブメドレーはどのくらいの規模の媒体ですか?
登録している従事者会員数は319万人(2026年3月末時点)、顧客となっている事業所は42.2万件で、医療ヘルスケア領域の事業所全体の約37%にあたります(2025年12月末時点)。取り扱う職種は53職種、掲載求人は47.7万件です(2026年3月末時点)。いずれもメドレーの有価証券報告書および決算説明資料の公表値です。
Q: スカウトの送信だけを代行してもらえますか?
多くのサービスで可能です。ただし、任せられる範囲はサービスによって幅があり、送信だけの形から、返信の一次対応や面接調整まで含む形まであります。自施設で手が足りない工程を先に整理して、その範囲を代行できるかを確認してください。
Q: AIスカウトとは何でしょうか?
AIスカウトは、候補者の経歴をAIで評価し、一人ひとりに合わせたスカウト文面を自動で作成・送信する運用の手法です。採用代行のなかに、このAIスカウトを組み込んで運用するサービスがある、という関係です。詳しくはAI RPO(AI採用代行)とは?従来RPOとの違いをご覧ください。
Q: 自分で運用するのと、代行に任せるのは何が変わりますか?
自施設で運用する場合、候補者検索・文面作成・送信・返信対応・振り返りをすべて自前で回す必要があります。専任の採用担当がいない施設ではこれが負担になり、スカウトが止まりがちです。代行に任せると、この運用を継続して回せるようになり、応募待ちでは動かなかった採用が前に進みやすくなります。
Q: スカウトを送るのに最適なタイミングはありますか?
「月初がいい」といった通説はありますが、実際の運用では、返信の伸びが大きく変わるというデータにはなっていません。返信率を大きく左右するのは、それ以外の変数を考慮した工夫が求められます。たとえばスカウト文面の工夫は候補の一つです。
Q: 看護師・介護職・保育士のスカウトも代行会社に任せられますか?
任せられます。ジョブメドレーは医療・介護・保育・ヘルスケア分野に特化した媒体で、53職種を扱っています。これらの職種のスカウト運用が代行の中心になります。職種ごとに刺さる訴求や返信率の傾向が違うため、その分野の運用実績があるかを確認するとよいです。
Q: 採用代行に有料職業紹介の許可は必要ですか?
依頼する業務によります。求人原稿の掲載や面接日程の調整だけなら不要ですが、候補者に合わせたスカウト文面の作成・送信や、候補者の選定にふみこむ業務には、有料職業紹介事業の許可(職業安定法30条)が必要です。依頼したい業務の範囲とあわせて、許可の有無を確認してください。詳細は【2026年版】RPO(採用代行)とは?費用相場・メリット・業務内容・選び方を徹底解説の「有料職業紹介事業許可」の章で解説しています。