薬剤師は、全国の総数だけ見れば足りています。厚生労働省・文部科学省の推計では、2045年には供給が需要を上回る見込みです。ところが病院や地方では、偏在指標が1を下回る県が続き、実際には採用が難しい市場です。この「総数としては供給が需要を上回るが、必要な場所に求職者がいない」というねじれが、薬剤師採用を難しくしています。
求人を出して応募を待つだけでは応募が発生しにくい市場となっており、採用業務を外部の専門チームに委託する採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)を検討する病院・調剤薬局・ドラッグストアが増えています。ただしRPOは各社で対応媒体も料金も、有料職業紹介の許可の有無も違います。
本記事では、薬剤師採用に対応するRPO7社を比較し、選ぶときに見るべき3つの基準を解説します。結論から言えば、選ぶ基準は〈①薬剤師が集まる媒体を運用してもらえるか ②有料職業紹介の許可があるか ③料金の型と総額〉の3点です。医療・介護・福祉を横断して比べたい場合は、【許可番号つき】医療・介護の採用代行(RPO)11社比較|職種別の選び方【2026年版】もあわせてご覧ください。本記事は、そのうち薬剤師採用に絞って深掘りするものです。
💡この記事の要点(TL;DR)
- 薬剤師の採用代行(RPO)とは: 求人媒体の運用・スカウト送信・応募者対応・面接調整といった薬剤師採用の実務を、外部の専門事業者に委託すること。人材紹介(成功報酬で候補者を紹介)とは費用構造が違います。
- 選ぶ基準は3つ: ①薬剤師が集まる媒体(薬キャリ・マイナビ薬剤師・ファルマスタッフ・ジョブメドレーなど)を運用してもらえるか ②有料職業紹介の許可があるか ③料金は月額固定か成果報酬か(最低契約で総額が変わる)。
- 本記事の掲載基準: 有料職業紹介事業の許可番号を公開情報で確認できた7社のみを掲載しています。
薬剤師の採用代行(RPO)とは?なぜ今増えているのか
採用代行(RPO)とは、薬剤師向け求人媒体の運用・スカウト送信・応募者対応・面接日程の調整といった採用業務を、外部の専門事業者に委託することです。 薬剤師採用でRPOの利用が広がっているのは、全国総数は足りていても、病院・地方・特定の店舗では採用が難しく、求人媒体に掲載して応募を待つだけでは薬剤師が集まらなくなっているためです。
採用代行(RPO)と薬剤師の人材紹介の違い
薬剤師採用の外部委託には、大きく「採用代行(RPO)」と「人材紹介」の2つがあります。混同されがちですが、費用構造がまったく違います。
採用代行(RPO)は、求人媒体の運用やスカウト送信、応募者対応といった採用業務そのものを代行する仕組みです。費用は月額固定または成果報酬で、採用の決定権は常に施設・店舗側にあります。
人材紹介は、紹介会社が候補者を紹介し、採用が決まったときに成功報酬を払う仕組みです。手数料は理論年収の20〜35%が一般的な相場で、薬剤師のように採用難易度の高い職種では、1人あたり数十万円から百万円規模になることもあります。
観点 | 採用代行(RPO) | 人材紹介 | 自社で採用 |
費用の形式 | 月額固定 または 成果報酬 | 成功報酬(採用決定時) | 媒体費、社内の人件費 |
費用の目安 | 1名あたり数万〜数十万円 | 理論年収の20〜35%が一般的 | - |
向いているケース | 応募が来ない・専任の採用担当がいない施設 | すぐに人が欲しい・費用は決定時だけにしたい | 採用ノウハウと時間がある施設 |
採用代行でも有料職業紹介の許可が関係する
薬剤師の採用代行のなかでも、候補者に合わせた求人作成やスカウト文面の作成、スカウト送信などを行う場合は、有料職業紹介事業の許可(職業安定法30条)が関係します。定型的な事務の代行だけなら不要ですが、候補者選定やスカウトといったコンサルティング要素が入る業務には許可が必要になります。有料職業紹介事業は、港湾運送業務と建設業務を除く職業について実施でき、許可制で、有効期間は新規3年・更新5年です。詳しくは記事後半の「選ぶ3つの基準」で解説します。法的要件の詳細は、RPO(採用代行)とは?費用相場・メリット・選び方の「有料職業紹介事業許可」の章でも解説しています。
なぜ今、薬剤師採用で採用代行が増えているのか
薬剤師採用でRPOが広がる背景には、「総数は足りていても、必要な場所に足りない」という需給のねじれがあります。求人を出して応募を待つだけでは、その場所に必要な薬剤師が集まりにくくなっています。候補者を探して直接アプローチする運用(スカウト・ダイレクトリクルーティング)に採用の重心が移り、その実務を代行するRPOの利用が増えています。
なぜ薬剤師採用は「構造的に」難しいのか
薬剤師採用が難しいのは、全国の総数は将来的に余剰方向でも、病院・地方では不足が続き、さらに薬局・ドラッグストアどうしの採用競争が激しいためです。 「薬剤師は余っている」という全国の話と、「うちでは採れない」という現場の実感が食い違う——この構造を理解しないと、採用設計を誤ります。
全国総数は余剰方向でも、必要な場所には足りない
厚生労働省・文部科学省の検討資料では、2045年の薬剤師需給について、供給43.2万〜45.8万人に対し需要33.2万〜40.8万人と、全国総数では余剰方向が見込まれています。ところが、これは「どこでも薬剤師が余る」という意味ではありません。
厚生労働省の「病院薬剤師偏在指標」では、大阪府1.06・兵庫県1.10に対し、奈良県0.90・和歌山県0.85・島根県0.86・愛媛県0.86など、指標が1を下回る(相対的に不足している)県が複数あります。人口10万人あたりの薬剤師数も、全国210.6人に対し、最多の徳島県256.6人と最少の沖縄県155.3人で1.65倍の開きがあります(厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」2024年)。総数の多寡だけでは、採用の難しさを説明できません。
母集団は「薬局」に偏り、病院は採りにくい
就業する薬剤師の約6割(19万7,437人)は薬局で働いています。病院で働く薬剤師は5万7,595人にとどまります(同統計、2024年)。母集団そのものが薬局に偏っているうえ、病院を志望する薬剤師は高度急性期・急性期の基幹病院を選びやすく(内定者の約8割)、中小規模の病院ほど、この志向のなかで採用しにくくなります。薬局・ドラッグストアも、給与水準を武器に新卒・若手を奪い合うため、採用競争は職域をまたいで激しくなります。
情報を出す「時期」が採用を左右する
薬剤師の採用は、情報を出す時期でも差がつきます。薬学生の多くは、6年生の求人シーズンを待たず、5年次の実務実習を経て、5年生の段階で就職先を決めています(厚生労働省委託調査)。6年次の4〜6月に求人を出しても、その時点ではすでに志望先が固まっていることが多く、採用側が見落としがちな時間差です。
こうした構造から、薬剤師採用は求人を出して待つだけでは動きにくく、必要な場所・時期に合わせて候補者を探し、直接声をかける運用が要になります。この点は、後述の「薬剤師採用でRPOを選ぶ3つの基準」の①でも詳しく取り上げます。
薬剤師向け採用代行(RPO)比較7社
薬剤師採用に対応するRPO7社を紹介します。 まず全7社を一覧できる早見表を示し、続いて各社を個別に解説します。選ぶときに見ておきたい観点は〈対応媒体/どこまでの業務を代行するか/料金の形式/有料職業紹介の許可〉の4点です。
本記事の掲載基準有料職業紹介事業の許可番号を、各社の公開情報で確認できたサービスのみを掲載しています。薬剤師採用に対応するRPOは他にも多くありますが、公式サイトや会社概要で許可番号を確認できなかったサービスは、今回は掲載を見送りました。これは許可の有無を判断したものではなく、「公開情報から確認できたかどうか」という編集上の基準です。
※料金・対応範囲は2026年7月時点の各社公開情報にもとづきます。契約前に各社へ最新条件をご確認ください。
薬剤師採用に対応するRPO7社 早見表
# | サービス/運営法人 | 特化・汎用 | 対応媒体 | 料金の形式 | 業務内容 | 有料職業紹介許可 |
1 | プロリク/株式会社プロリク | 横断 | Indeed・ジョブメドレーなど | 初期費用0、成果報酬/月額固定 | 採用設計・採用コンテンツ制作・スカウト送信・求人改善・応募者対応・人材紹介会社管理・日程調整・生成AI活用支援 | 13-ユ-312237 |
2 | ユアマネ/ヘルスケアマーケット・ジャパン株式会社 | 医療・介護 | 求人作成・掲載・運用(媒体実名は非公開) | 月額(5.5万〜) | 求人作成・求人掲載・求人運用の代行 | 14-ユ-301000 |
3 | 人材募集代行/株式会社トップサポートカンパニー | 看護・保育・薬剤師 | 学校訪問・採用プロモーション | 非公開 | 学校訪問・教員とのコミュニケーションによる母集団形成 | 40-ユ-300504 |
4 | crew’ve/株式会社crew’ve | 横断 | 媒体の実名は非公開 | 非公開 | 採用経路の見直し・求人媒体の運用管理を一括代行(書類選考・一次面接も代行) | 12-ユ-301244 |
5 | ネオキャリア 採用代行/株式会社ネオキャリア | 汎用(薬剤師対応) | マイナビ転職・doda・Indeed・ビズリーチ等幅広い媒体 | 月額固定(月35万〜) | 採用戦略立案・媒体選定と出稿・求人広告原稿作成・スカウト配信・選考/応募者対応・内定連絡・面接業務代行 | 13-ユ-070309 |
6 | CASTER BIZ recruiting/株式会社キャスター | 汎用(薬剤師対応) | Wantedly・Green・ビズリーチ・LinkedIn等幅広い媒体 | 月額(時間課金・月19.5万〜) | 戦略プランニング・ダイレクトリクルーティング・求人媒体運用・エージェント対応・応募者対応・採用広報 | 45-ユ-300088 |
7 | まるごと人事/マルゴト株式会社 | 汎用(薬剤師対応) | 各種求人媒体 | 月額固定(要問合せ) | 採用戦略設計・媒体運用・スカウト・応募者対応・日程調整(面接以外を幅広く代行) | 01-ユ-300728 |
薬剤師採用に対応するRPO
1. 株式会社プロリク|プロリク(AI活用の採用代行)
プロリクは、Indeedやジョブメドレー(ジョブメドレーの採用代行パートナー)などのスカウト媒体を運用する採用代行です。データにもとづく採用設計・スカウト送信・求人改善・応募者対応まで代行し、AIで業務を効率化します。医療・介護・福祉を含め、職種を問わず対応します。選考パイプライン(選考の各段階)の助言や採用広報ページの制作にも対応します。
- このような施設におすすめ:薬剤師の求人を出しても応募が集まらず、専任の採用担当者がいない病院・調剤薬局・ドラッグストア
- 料金:成果報酬(1名採用10万円・初期費用0円)または月額固定
- 対応媒体:Indeed、ジョブメドレー(ジョブメドレーの採用代行パートナー)など
- 対応業務:採用設計・採用コンテンツ制作・スカウト送信・求人改善・応募者対応・人材紹介会社管理・日程調整・採用領域における生成AI活用支援
- 有料職業紹介許可:13-ユ-312237
- サービスURL:https://rpo.prorec.biz/
2. ヘルスケアマーケット・ジャパン株式会社|ユアマネ採用代行
医療・介護・ヘルスケア領域に特化した採用代行です。医療施設や介護施設などの募集運用に対応し、求人の作成・掲載・運用を代行します。月額制で複数のプランを用意しています。
- このような施設におすすめ:医療・介護分野で、薬剤師を含む職員の募集運用を任せたい事業者
- 料金:月額5.5万円〜(複数プラン)
- 対応媒体:求人の作成・掲載・運用(媒体の実名は公開情報では非公開)
- 対応業務:求人作成・掲載・運用の代行
- 有料職業紹介許可:14-ユ-301000
- サービスURL:https://healthcare-markets.jp/
3. 株式会社トップサポートカンパニー|人材募集代行
看護師・保育士・薬剤師などの募集を支援する採用代行です。学校訪問や採用プロモーションを通じた母集団形成を得意とします。薬学部・薬学生ルートを含めた新卒採用の入口づくりに向きます。
- このような施設におすすめ:学校訪問など新卒ルートも含めて薬剤師を募集したい施設・薬局
- 料金:非公開
- 対応媒体:学校訪問・採用プロモーション
- 対応業務:学校訪問・採用プロモーションによる募集支援(面接代行の範囲は公開情報では要確認)
- 有料職業紹介許可:40-ユ-300504(プライバシーマークを公式掲載)
- サービスURL:https://top-support.co.jp/
4. 株式会社crew’ve|crew’ve
医療機関向けの採用支援サービスです。採用ルートの見直しから求人媒体の運用までを代行し、応募者管理に加えて、状況に応じて書類選考や一次面接も代行します。部分委託やスポットでの支援にも対応します。
- このような施設におすすめ:薬剤師採用の一部だけ、あるいはスポットで任せたい医療機関
- 料金:非公開
- 対応媒体:採用ルート見直し・求人媒体運用(媒体の実名は非公開)
- 対応業務:採用ルートの見直し・求人媒体運用・応募者管理(状況に応じて書類選考・一次面接も代行)
- 有料職業紹介許可:12-ユ-301244
- サービスURL:https://crewve.jp/
汎用RPO(薬剤師採用にも対応)
薬剤師特化ではありませんが、幅広い職種に対応し、薬剤師採用にも対応する汎用RPOです。対応媒体が一般の転職サイト中心で、薬剤師専門の媒体(薬キャリ・マイナビ薬剤師・ファルマスタッフなど)を扱わない場合がある点に注意してください。
5. 株式会社ネオキャリア|ネオキャリア 採用代行
幅広い職種に対応する大手の採用代行です。マイナビ転職・doda・Indeed・ビズリーチなど一般の転職サイトを運用し、応募者対応から面接代行まで対応します。
- このような施設におすすめ:薬剤師に限らず、一般職も含めて幅広い職種をまとめて採用したい法人
- 料金:月額固定(月35万円〜/個別業務は月10万円〜)
- 対応媒体:マイナビ転職・エン転職・doda・Indeed・Green・ビズリーチ等
- 対応業務:媒体運用・応募者対応・面接日程調整(面接代行にも対応)
- 有料職業紹介許可:13-ユ-070309(プライバシーマーク)
- サービスURL:https://www.neo-career.co.jp/
6. 株式会社キャスター|CASTER BIZ recruiting
オンラインアシスタントを展開するキャスターの採用代行です。稼働時間に応じた月額プランで、Wantedly・Green・ビズリーチ・LinkedInなどを運用します。
- このような施設におすすめ:薬剤師に限らず、稼働時間ベースで柔軟に採用支援を受けたい法人
- 料金:SMART 月19.5万円(30時間)〜/STANDARD 月40万円(70時間)ほか(税別)
- 対応媒体:Wantedly・Green・ビズリーチ・LinkedIn・LAPRAS・Findy等
- 対応業務:媒体運用・応募者対応・面接日程調整(面接の実施代行は確認できず)
- 有料職業紹介許可:45-ユ-300088(ISO27001・プライバシーマーク)
- サービスURL:https://recruiting.cast-er.com/
7. マルゴト株式会社|まるごと人事
成長企業向けを中心に、幅広い職種に対応する採用代行です。フルリモートのチーム体制で採用業務を代行し、医療法人向けの支援実績もあります。
- このような施設におすすめ:薬剤師を含め、複数職種の採用実務をまとめて任せたい法人
- 料金:月額固定(プラン・金額は要問合せ)
- 対応媒体:各種求人媒体(薬剤師分野での実名媒体は公開情報では要確認)
- 対応業務:面接以外の採用業務を幅広く代行(戦略設計・媒体運用・スカウト・応募者対応)
- 有料職業紹介許可:01-ユ-300728
- サービスURL:https://marugotoinc.co.jp/
薬剤師採用でRPOを選ぶ3つの基準
薬剤師採用のRPOは、比較表を並べるだけでは選べません。見るべき基準は3つ、〈①薬剤師が集まる媒体を運用してもらえるか ②有料職業紹介の許可があるか ③料金の型と総額〉です。薬剤師採用ならではのこの3点で見ると、自社に合うかどうかが判断できます。
① 薬剤師が集まる媒体を運用してもらえるか
最初に確認すべきは、自社が使う(使いたい)求人媒体を、そのRPOが運用できるかです。 薬剤師採用は、一般の転職サイトだけでは母集団が集まりにくく、薬剤師専門の媒体が効きます。
薬剤師採用で使われる主な媒体には、薬キャリ・マイナビ薬剤師・ファルマスタッフ・リクナビ薬剤師・ジョブメドレー(薬剤師)などがあります。これらは登録者の多くが薬剤師で、一般媒体より母集団の質が合いやすいのが特徴です。汎用RPOのなかには、マイナビ転職やdodaなど一般の転職サイトが中心で、薬剤師専門媒体を扱わない場合があります。事前に事業者に確認をしておくことが肝要です。
また、病院・調剤薬局・ドラッグストアでは、集まりやすい媒体や訴求が異なります。薬学生の新卒採用では、5年生段階での情報発信や学校ルートが効き、中途採用では専門媒体でのスカウトが効くなど、狙う層によって打ち手が変わります。求人原稿を良くして応募を待つ支援と、候補者を探してスカウトを送る支援とでは、必要な場所に人がいない市場では後者のほうが効きやすい傾向があります。
どういう層にどういった情報を訴求すべきか?については以下の記事も参考にしてください。
関連記事:薬剤師はなぜ転職するのか|病院・薬局の違いと年代別の理由【2026年版】
② 有料職業紹介事業の許可があるか
依頼する業務の範囲とあわせて確認しておきたいのが、有料職業紹介事業の許可です。許可の名前からは人材紹介業だけに求められるものと思われがちですが、採用代行を営む上でも関係します。
職業安定法では、あらかじめ決められた求人原稿の掲載や、指示された面接日程の調整といった事務的な定型業務は許可不要です。一方で、薬剤師の候補者に合わせた求人作成やスカウト文面の作成、スカウト送信の代行、応募者のスクリーニング(応募者の絞り込み)など、コンサルティング要素が入る業務には、有料職業紹介事業の許可(30条)が必要になります。薬剤師採用ではスカウトの作成・送信や候補者の選定まで依頼することが多く、その場合はこの許可が関わってきます。
確認方法はいくつかあります。まず、各社がHPで有料職業紹介事業の許可番号(例:13-ユ-XXXXXX)を明示しているかを見る方法。また、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で社名を検索して許可の有無を調べることも可能です。
③ 料金の型と総額(最低契約に注意)
薬剤師採用のRPOの料金は、大きく「月額固定型」と「成果報酬型」に分かれます。どちらが得かは、採用したい人数と、決まるかどうかの見込みで変わります。
- 月額固定型は、採用数にかかわらず毎月一定額。継続的に複数名を採用するなら、1人あたりのコストを抑えやすい形です。ただし最低契約期間(3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月など)があり、採用が決まらなくても総額が発生します。
- 成果報酬型は、採用が決まったときだけ費用が発生。少数採用や、決まるか読めない場合に安全です。
比較するときは、月額だけでなく最低契約期間を含めた総額で見てください。あわせて、媒体費が別途かかるか(求人媒体の掲載料は施設負担が一般的)も確認しておくと、実際の支出を見誤りません。人材紹介の手数料(理論年収の20〜35%が一般的)と、複数名採用時の1人あたりコストを並べて比べると、自社に合う形が見えてきます。
薬剤師採用でRPOを導入する流れ
薬剤師採用でRPOを導入するときは、次の順で進めるとスムーズです。
- 課題の整理:応募が来ないのか、応募はあるが対応が追いつかないのか、どの職域(病院・調剤薬局・ドラッグストア)・どの地域で不足しているのかを分ける。
- 依頼範囲の決定:媒体運用だけか、スカウト送信まで、あるいは一次面接まで任せるか。この範囲が、必要な許可(②の基準)と料金を左右します。
- 数社に問い合わせ:対応媒体・料金・最低契約期間・許可番号を確認し、比較表で並べる。
- 小さく始める:まず1媒体・1拠点から委託し、応募数と対応品質を見てから範囲を広げる。
まとめ
薬剤師の採用は、全国の総数が足りていても、必要な場所には人がいない市場です。病院・地方では偏在指標が1を下回る県が複数あり、薬局・ドラッグストアどうしの競争も激しい。求人を出して待つだけでは動きにくく、候補者を探して直接アプローチする運用が欠かせません。その実務を担うのが採用代行(RPO)です。
選ぶときは、①薬剤師が集まる媒体を運用してもらえるか、②有料職業紹介の許可があるか、③料金の型と総額、の3点で見てください。特に②は、スカウトや候補者選定まで任せるなら関わる要件です。許可番号を公開情報で確認し、依頼したい業務の範囲とあわせて各社に確認するのが安全です。
医療・介護・福祉を横断して比較したい場合は【許可番号つき】医療・介護の採用代行(RPO)11社比較|職種別の選び方【2026年版】をご参考ください。
著者について
宮前 貴史(株式会社プロリク )
大学卒業後、個人事業主として約5年半にわたり、BtoC・BtoB領域で営業から企画・運営までを一気通貫で経験。その後、ベンチャー企業にて採用担当として制度設計に従事し、さらにRPOサービスの立ち上げ責任者として、スカウト業務の仕組み化から実践までを牽引。プロリク参画後は、その豊富な実務経験を活かし、ITエンジニアのスカウト業務を中心に複数クライアントの採用成功を支援している
よくある質問(FAQ)
Q: 薬剤師の採用代行(RPO)の費用相場は?
月額固定型と成果報酬型があります。月額固定型は月5万〜35万円程度、成果報酬型は1名あたり10万円前後からが目安です。スカウト運用まで含む契約ほど費用が上がりやすい傾向があります。月額固定型は最低契約期間があるため、総額で比べてください。薬剤師専門ではない汎用RPOは月35万円前後からのこともあります。
Q: 採用代行と薬剤師の人材紹介は、どちらが安いですか?
人材紹介の手数料は理論年収の20〜35%が一般的で、薬剤師のように採用難易度の高い職種では1人あたり数十万円以上になることがあります。採用代行の月額単価は数万円〜数十万円に抑えられ、複数名を採用できれば1人あたりは大きく下がります。一方で最低契約期間や媒体費もかかるため、合計費用で比較してください。
Q: 病院薬剤師の採用も頼めますか?
多くのRPOで対応しています。ただし、病院薬剤師は薬局・ドラッグストアに母集団が偏るなかでの採用になり、基幹病院志向も強いため、難易度が高い職域です。医療機関の採用に実績のあるRPOか、スカウト運用に対応できるRPOを選ぶと進めやすくなります。
Q: 薬剤師専門の求人媒体(薬キャリ等)の運用も任せられますか?
医療特化・薬剤師対応のRPOであれば対応することが多いです。汎用RPOはマイナビ転職やdodaなど一般の転職サイトが中心で、薬剤師専門媒体を扱わない場合があります。使いたい媒体名(薬キャリ・マイナビ薬剤師・ファルマスタッフ等)を挙げて、運用が可能かを各社に尋ねるとよいです。
Q: 採用代行に有料職業紹介の許可は必要ですか?
求人原稿の掲載や面接日程の調整だけなら不要ですが、候補者に合わせたスカウト文面の作成や応募者のスクリーニングなど、コンサルティング要素を含む業務には、有料職業紹介事業の許可(職業安定法30条)が必要です。依頼したい業務の範囲とあわせて、各社に許可の有無を確認してください。
Q: 面接まで代行してもらえますか?
各社のサービスによって対応範囲が異なります。多くは「応募者対応・面接日程の調整まで」で、面接そのものは施設側が行います。一次面接まで代行するサービスもあります。対応範囲は比較表の「業務内容」欄で見分けられます。
Q: 小規模な調剤薬局でも導入できますか?
対応している事業者があります。専任の採用担当者がいない小規模店舗ほど、応募者対応の遅れが課題になりやすく、RPOの効果が出やすい傾向があります。月額の低いプランや、成果報酬型から始める方法もあります。
Q: 成果報酬型と月額固定型は、どちらが向いていますか?
採用したい人数と、決まるかどうかの見込みで選びます。採用が少数、あるいは決まるか読めない場合は、決まるまで費用のかからない成果報酬型が安全です。新規出店や増員で継続的に複数名を採用する場合は、月額固定型のほうが1人あたりのコストを抑えられることがあります。最低契約期間を含めた総額で比べてください。
Q: 候補者の経歴などの個人情報は安全ですか?
薬剤師の資格・経歴といった機微な情報を外部に預けるため、秘密保持契約の締結と、社内の情報管理体制の確認は必須です。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム、ISO27001)認証やプライバシーマークを取得している事業者は、情報管理の体制が整っている目安になります。