訪問介護員の有効求人倍率は14.14倍(2023年度)。全職種平均の1.20倍を大きく超え、求職者1人に14件以上の求人が並ぶ世界です。介護職員は2040年度に約57万人が不足すると推計され、求人を出せば応募が来る市場ではありません。しかも訪問・施設・通所(デイサービス)で、採用の難しさも競合も変わります。
この人手不足のなかで、採用業務そのものを外部に委ねる選択肢が採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)です。
ただ、介護向けのRPOは料金体系も対応範囲もサービスごとにバラバラで、「何を基準に選べばいいのか分からない」という声も多く聞かれます。
本記事では、介護に対応する採用代行(RPO)を比較し、選ぶときに見るべき3つの基準を、介護に絞ったデータとともに解説します。結論から言えば、選ぶ基準は〈①自施設が求める業務が得意かどうか ②有料職業紹介の許可があるか ③料金の形式と総額〉の3点です。
なお本記事は、医療・看護・福祉も含めて横断的に比較した【許可番号つき】医療・介護の採用代行(RPO)11社比較|職種別の選び方【2026年版】のうち、介護に絞って深掘りした記事です。医療や看護も含めて広く見比べたい場合は、あわせてそちらもご覧ください。
💡この記事の要点(TL;DR)
- 介護でRPO(採用代行)が増える理由: 介護職員は2040年度に約57万人不足(厚労省推計)。訪問介護員の有効求人倍率は14.14倍と、全職種平均1.20倍を大きく超え、求人を出すだけでは応募が集まらない
- 人材紹介との違い: 有料職業紹介経由の早期離職率は訪問介護員で29.1%。手数料を払っても早期に辞めやすく、媒体運用そのものを代行するRPOへの切り替えが進んでいる
- 選ぶ基準は3つ: ①自施設が求める業務が得意か(スカウト中心/エージェント対応/面接まで)②有料職業紹介の許可があるか ③料金は月額固定か成果報酬か(最低契約で総額が変わる)
- 本記事の掲載基準: 有料職業紹介事業の許可番号を公開情報で確認できたサービスのみを掲載しています
介護の採用代行(RPO)とは?なぜ今増えているのか
採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)とは、求人媒体の運用・スカウト送信・応募者対応・面接調整といった採用業務を、外部の専門事業者に委託することです。 介護でRPOの利用が広がっているのは、人手不足が構造的に深刻化し、求人を出しても応募が来ない状態が常態化しているためです。
介護の人手不足はどれくらい深刻か
数字で見ると深刻さが分かります。
人手不足の規模
- 介護職員は、2026年度に約25万人、2040年度に約57万人が不足すると推計されています(厚生労働省「第9期介護保険事業計画」推計、2024年7月)。
- 介護職員全体の不足感は64.7%、訪問介護員では「大いに不足+不足」が約60%、不足感全体では約80%に達します(令和6年度介護労働実態調査、介護労働安定センター)。
有効求人倍率の高さ(全職種平均は1.20倍)
- 訪問介護員:14.14倍(2023年度、厚生労働省)。求職者1人に対して14件以上の求人がある水準です。
- 介護全体:3.94〜4.08倍(2024年3月、厚生労働省)。
- 地域差も大きく、介護は東京・愛知で5倍を超え、地方県では1.8〜2.3倍と、都市部ほど採用が難しくなっています。
母集団は最大級、それでも足りない 介護職員は約213万人(2,126,227人、令和6年、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」)と、看護職員計の約170万人をも上回る、医療・介護で最大級の就業者数です。母集団はこれだけ大きいのに、2040年度にはさらに約57万人の上乗せが必要とされ、訪問介護員の有効求人倍率は14.14倍にのぼります。規模が大きいぶん、必要な採用の絶対数が桁違いに大きく、全国約3.7万の訪問介護事業所が同じ限られた求職者を奪い合っています。
求人を出すだけでは応募が集まらず、こちらから候補者に働きかける運用が必要になっている——この構造が、求人媒体の運用や候補者への働きかけを代行するRPOの需要を高めています。
介護職がなぜ辞めるのか、なぜ転職するのかについて、より詳細に知りたい方は以下をご覧ください。 関連記事:介護職はなぜ転職するのか|辞める理由と採用市場の実態【2026年版】
採用代行(RPO)と人材紹介の違い
採用代行と人材紹介は、どちらも外部に採用を頼む点では同じですが、仕組みと費用が異なります。
人材紹介は、紹介会社が候補者を紹介し、採用が決まったときに成功報酬を払う仕組みです。手数料は年収の20〜35%が相場です。ただし介護では、**有料職業紹介経由の早期離職率が訪問介護員で29.1%、介護職員で22%**にのぼります(令和6年度介護労働実態調査)。手数料を払って採用しても、早期に辞めてしまえば、また同じ費用をかけて採り直すことになります。
採用代行(RPO)は、求人媒体の運用や応募者対応そのものを月額固定または成果報酬で代行するサービスです。自施設の名前で募集し、自施設で選ぶため、紹介経由より定着しやすく、1人あたりの費用も抑えられることから、人材紹介からの切り替え先として選ばれています。
項目 | 採用代行(RPO) | 人材紹介 | 自前採用 |
業務内容 | 求人媒体の運用・スカウト・応募者対応を代行 | 候補者を紹介 | 求人掲載から選考まで自前で行う |
費用の形式 | 月額固定 または 成果報酬 | 成功報酬(採用決定時・年収の20〜35%) | 媒体費、施設内の人件費 |
介護での留意点 | 自施設名で募集でき定着しやすい | 早期離職率が高め(訪問介護員29.1%) | 施設長兼任で手が回らないことが多い |
向いているケース | 応募が来ない・専任の採用担当がいない事業所 | すぐに人が欲しい・費用は決定時だけにしたい | 採用ノウハウと時間がある事業所 |
なお、採用代行のなかでも、候補者に合わせた求人作成やスカウト文面の作成、スカウト送信などを行う場合は、有料職業紹介事業の許可(職業安定法30条)が必要です。この点は「選ぶ3つの基準」の②で詳しく説明します。
介護向け採用代行(RPO)おすすめ比較6社
介護に対応する採用代行(RPO)6社を紹介します。 まず全6社を一覧できる早見表を示し、続いて各社を個別に解説します。選ぶときに見ておきたい観点は〈対応媒体/どこまでの業務を代行するか/料金の形式/有料職業紹介の許可〉の4点です。
本記事の掲載基準 有料職業紹介事業の許可番号を、各社の公開情報で確認できたサービスのみを掲載しています。介護向けのRPOは他にも多くありますが、許可番号を公開情報で確認できなかったサービスは、今回は掲載を見送りました。これは許可の有無を判断したものではなく、「公開情報から確認できたかどうか」という編集上の基準です。
※料金・対応範囲は2026年7月時点の各社公開情報にもとづきます。契約前に各社へ最新条件をご確認ください。
介護RPO6社 早見表
# | サービス/運営法人 | 対応領域 | 対応媒体 | 料金の形式 | 業務内容 | 有料職業紹介許可 |
1 | プロリク/株式会社プロリク | 全領域(介護含む) | Indeed・ジョブメドレーなど | 初期費用0、成果報酬/月額固定 | 採用設計・採用コンテンツ制作・スカウト送信・求人改善・応募者対応・人材紹介会社管理・日程調整・生成AI活用支援 | 13-ユ-312237 |
2 | カイビズ/ユースタイルラボラトリー株式会社 | 介護特化 | ユースタイルキャリア・Indeed・Airワーク・ハローワークなど | 月額固定(月6.5万・初期0) | 求人票作成・求人情報掲載・応募情報管理・一次面接の実施と代行、最終面接設定 | 13-ユ-307171 |
3 | ネオキャリア 採用代行/株式会社ネオキャリア | 全業界(汎用) | マイナビ転職・doda・Indeed・ビズリーチ等 | 月額固定(月35万〜) | 採用戦略立案・媒体選定と出稿・求人広告原稿作成・スカウト配信・選考/応募者対応・適性検査・内定連絡・面接業務代行 | 13-ユ-070309 |
4 | CASTER BIZ recruiting/株式会社キャスター | 全業界(汎用) | Wantedly・Green・ビズリーチ・LinkedIn等 | 月額(時間課金・月19.5万〜) | 戦略プランニング・ダイレクトリクルーティング・求人媒体運用・エージェント対応・応募者対応・採用広報・採用ピッチ資料の作成 | 45-ユ-300088 |
5 | 変革RPO/レジェンダ・コーポレーション株式会社 | 全業界(汎用) | 実名は非公開 | 月額(リクルーター代行50万〜/ダイレクトソーシング20万〜/面接代行1回1万〜)・成果報酬30万/承諾1名 | 採用戦略策定・採用ブランディング・人材要件定義・母集団形成・ダイレクトソーシング・エージェント対応・応募者対応・面接代行・入社手続き | 13-ユ-070243 |
6 | まるごと人事/マルゴト株式会社 | 全業界(汎用) | 実名は非公開(累計180媒体以上の運用実績) | 月額固定(ライト25万+初期10万・税別) | 要件定義・募集文/スカウト文作成・媒体選定・書類選考・スカウト対象選定と送付・日程調整・エージェントマネジメント・応募者対応・数値分析/改善 | 01-ユ-300728 |
介護に対応する採用代行
1. 株式会社プロリク|プロリク
プロリクは、Indeedの運用や、エージェントコントロール、ジョブメドレー(ジョブメドレーの採用代行パートナー)などのスカウト媒体を運用する採用代行サービスです。担当個人の感覚ではなく、客観的なデータを根拠に支援することが特徴であり、AIを活用して業務効率化をしながら、採用設計、スカウト送信、求人改善、応募者対応まで、採用プロフェッショナルが代行します。医療・介護・福祉、職種を問わず支援しています。選考パイプラインのアドバイス、採用広報ページの制作等、採用に向けた伴走が特徴です。
- このような施設におすすめ:求人を出しても応募が集まらず、専任の採用担当者がいない介護事業所・医療機関
- 対応領域:全領域(介護・医療・福祉、職種問わず)
- 料金:成果報酬(1名採用10万円・初期費用0円)または月額固定
- 対応媒体:Indeed、ジョブメドレー(ジョブメドレーの採用代行パートナー)などスカウト媒体
- 対応業務:採用設計・採用コンテンツ制作・スカウト送信・求人改善・応募者対応・人材紹介会社管理・日程調整・採用領域における生成AI活用支援
- 有料職業紹介許可:13-ユ-312237
- セキュリティ:ISMS認証(ISO27001)
- サービスURL:https://rpo.prorec.biz/
2. ユースタイルラボラトリー株式会社|カイビズ(kaibiz)
介護採用に特化した採用代行です。ユースタイルキャリア・Indeed・Airワーク・ハローワークなど希望の媒体を運用し、求人票の作成から応募情報の管理、一次面接の実施までを代行します。最終面接は事業所側が実施します。介護実務の経験者による支援体制が特徴です。
- このような施設におすすめ:一次面接まで任せて、最終判断だけ自施設で行いたい介護事業者
- 対応領域:介護特化(ヘルパー・介護職・看護師・リハビリ職 等)
- 料金:月額6.5万円・初期費用0円・成果報酬なし(外部媒体費は別)/最短3ヶ月
- 対応媒体:ユースタイルキャリア・Indeed・Airワーク・求人ボックス・ハローワーク・希望媒体
- 対応業務:求人票作成・求人情報掲載・応募情報管理・一次面接の実施と代行、最終面接設定
- 有料職業紹介許可:13-ユ-307171
- セキュリティ:公式サイトに記載なし
- サービスURL:https://kaibiz.jp/
汎用RPO(介護にも対応)
介護特化ではありませんが、業界を問わず対応するため介護の採用にも使える大手・専門の汎用RPOです。対応媒体が一般の転職サイト中心で、介護の専門媒体(ジョブメドレー・カイゴジョブ等)を扱わない場合がある点に注意してください。
3. 株式会社ネオキャリア|ネオキャリア 採用代行
幅広い職種に対応する大手の採用代行です。マイナビ転職・doda・Indeed・ビズリーチなど一般の転職サイトを運用し、応募者対応から面接代行まで対応します。
- このような施設におすすめ:介護以外の職種も含めて幅広くまとめて採用したい法人
- 対応領域:全業界(汎用)
- 料金:月額固定(月35万円〜/個別業務は月10万円〜)
- 対応媒体:マイナビ転職・エン転職・doda・Indeed・Green・ビズリーチ等
- 対応業務:採用戦略立案・スケジュール設計・費用対効果分析・ペルソナ設計/媒体選定と出稿・求人広告原稿作成・母集団形成・スカウトメールの作成と配信/選考・スクリーニング・応募者対応・適性検査・内定連絡・面接業務代行
- 有料職業紹介許可:13-ユ-070309
- セキュリティ:プライバシーマーク
- サービスURL:https://www.neo-career.co.jp/
4. 株式会社キャスター|CASTER BIZ recruiting
オンラインアシスタントを展開するキャスターの採用代行です。稼働時間に応じた月額プランで、Wantedly・Green・ビズリーチ・LinkedInなどを運用します。
- このような施設におすすめ:稼働時間ベースで柔軟に採用支援を受けたい法人
- 対応領域:全業界(汎用)
- 料金:SMART 月19.5万円(30時間)〜/STANDARD 月40万円(70時間)ほか(税別)
- 対応媒体:Wantedly・Green・ビズリーチ・LinkedIn・LAPRAS・Findy等
- 対応業務:戦略プランニング/ダイレクトリクルーティング/求人媒体運用/エージェント対応/応募者対応/採用広報/採用ピッチ資料の作成/入社までの労務事務(オプション)
- 有料職業紹介許可:45-ユ-300088
- セキュリティ:ISMS認証(ISO27001)・プライバシーマーク
- サービスURL:https://recruiting.cast-er.com/
5. レジェンダ・コーポレーション株式会社|変革RPO
新卒・中途を問わず、採用戦略の策定から実行までを一貫して支援する採用代行です。100名を超えるコンサルタントが在籍し、業務単位で切り出して依頼できます。1ヶ月から始められます。
- このような施設におすすめ:採用戦略の設計から任せ、必要な業務だけ切り出して依頼したい法人
- 対応領域:全業界(汎用・新卒/中途)
- 料金:リクルーター代行 月50万円〜/ダイレクトソーシング 月20万円〜/面接代行 1回1万円〜/成果報酬 承諾1名30万円(採用競争力診断は無償)
- 対応媒体:実名は非公開(ダイレクトソーシング・エージェント対応に対応)
- 対応業務:採用戦略策定・採用ブランディング・人材要件定義・母集団形成・ダイレクトソーシング・エージェント対応・応募者対応・面接代行・入社手続き
- 有料職業紹介許可:13-ユ-070243
- セキュリティ:ISMS認証(ISO27001)
- サービスURL:https://www.leggenda.co.jp/recruitment_support/rpo/
6. マルゴト株式会社|まるごと人事
成長企業向けの月額制採用代行です。要件定義から募集文・スカウト文の作成、書類選考、スカウト送付、日程調整、エージェント対応、応募者対応まで一気通貫で代行します。累計180媒体以上の運用実績があります。
- このような施設におすすめ:媒体運用からスカウトまで月額でまとめて任せたい法人
- 対応領域:全業界(汎用)
- 料金:月額固定(まるごと人事ライト 月25万円+初期10万円・いずれも税別/通常プランは見積り)
- 対応媒体:実名は非公開(累計180媒体以上の運用実績)
- 対応業務:要件定義・ペルソナ設定・募集文/スカウト文作成・媒体選定・書類選考・スカウト対象者の選定と送付・日程調整・エージェントマネジメント・応募者対応・数値分析/改善提案
- 有料職業紹介許可:01-ユ-300728
- セキュリティ:プライバシーマーク
- サービスURL:https://marugotoinc.jp/
介護特化RPOと汎用RPOの違い
介護特化のRPO(カイビズ等)は、介護の専門媒体や介護職の採用事情に通じており、介護に絞って支援します。一方、汎用RPO(ネオキャリア・CASTER・レジェンダ・まるごと人事等)は業界を問わず対応しますが、対応媒体が一般の転職サイト中心で、介護の専門媒体(ジョブメドレー・カイゴジョブ等)を扱わない場合があります。介護以外の職種もまとめて任せたいか、介護に絞って専門媒体まで運用してほしいか——ここが特化と汎用を分ける実質的な違いです。
なお、最近ではAIを活用した採用代行サービスも出てきています。AI RPOの全体像は、AI RPO(AI採用代行)とはの記事も参考にしてください。
介護でRPOを選ぶ3つの基準
比較表を眺めるだけでは、自施設に合うサービスは絞り込めません。介護でRPOを選ぶときに見るべきは、次の3点です。
① 自施設が求める業務が得意かどうか
「採用代行」とひとくくりにされますが、得意な業務はサービスごとに大きく違います。 スカウトの送信を中心に担うサービスもあれば、人材紹介会社とのやり取り(エージェントコントロール)まで引き受けるサービス、一次面接そのものを代行するサービスもあります。
介護では、訪問介護・施設介護・通所(デイサービス)で必要な採用のかたちが変わります。 訪問介護はヘルパーの絶対数が足りず、資格や稼働時間の条件が合う人を探し出す「スカウト」の比重が高くなります。施設や通所は、応募が来たあとの対応と面接調整に手が回らないことが多く、そこを任せたいケースが目立ちます。
そのため、まず自施設が何を任せたいのかを決めてください。 応募者を探して声をかける手が足りないのか、応募への返信や面接日程の調整が回らないのか、一次面接まで任せたいのか。任せたい業務が決まって初めて、どのサービスが合うかを判断できます。「採用代行だから何でもやってくれる」という前提で選ぶと、期待した業務が契約範囲の外だった、ということが起こります。本記事の比較表の「業務内容」欄を横に読むと、その差がはっきり分かります。
② 有料職業紹介事業の許可があるか
依頼する業務の範囲とあわせて確認しておきたいのが、有料職業紹介事業の許可です。介護の採用代行で有料職業紹介事業の許可は、「あると良い特徴」ではなく、依頼する業務によっては、満たしていなければ違法になりうる前提条件です。
職業安定法では、あらかじめ決められた求人原稿の掲載や、指示された面接日程の調整といった事務的な定型業務は許可不要です。一方で、候補者に合わせた求人作成・スカウト文面の作成と送信・応募者のスクリーニングなど、候補者の選定にふみこむ業務(コンサルティング要素)には、有料職業紹介事業の許可(30条)が必要になります。これは、2026年3月に厚生労働省の東京労働局需給調整事業部へ直接確認した見解です。
介護の採用代行では、条件の合う候補者を探してスカウトを送る業務まで依頼することが多く、その場合はこの許可が関係してきます。つまり、料金の安さや実績の多さは、許可の有無を代替しません。 依頼したい業務にスカウトや候補者選定が含まれるなら、許可の確認は欠かせません。
確認方法はシンプルです。
- 各社が有料職業紹介事業の許可番号(例:13-ユ-XXXXXX)を公開しているかを、公式サイトの会社概要やフッターで見る
- 厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で社名を検索し、許可の有無を調べる
本記事の比較表に掲載しているのは、公開情報でこの許可番号を確認できたサービスだけです。掲載外のサービスを検討する場合は、依頼したい業務の範囲とあわせて、許可の有無を各社に直接ご確認ください。番号を確認できないことは、許可があるともないとも示しません。法的要件の詳細は、【2026年版】RPO(採用代行)とは?費用相場・メリット・業務内容・選び方を徹底解説の「有料職業紹介事業許可」の章でも解説しています。
③ 料金の形式と総額(最低契約に注意)
介護RPOの料金には、大きく月額固定型と成果報酬型があります。
月額固定型は、採用が決まらなくても毎月費用が発生します。ここで見落としやすいのが最低契約期間です。たとえば「月10万円・最低契約3ヶ月」なら、採用がゼロでも最低30万円がかかります。見かけの月額の安さだけで比べると、総額で逆転することがあります。
成果報酬型は、採用が決まったときにだけ費用が発生します。完全成果報酬であれば、採用が決まるまで費用はかかりません。
介護は採用に時間がかかりやすい市場です。自施設の採用数の見込みと照らして、月額固定型の方が安いか/成果報酬型の方が安いかを、最低契約期間まで含めた総額で比べてください。
介護の求人媒体の選び方
介護の採用では、使う求人媒体が他業界と異なります。 一般の転職サイトだけでなく、介護・医療の専門媒体を運用できるかが、応募数を大きく左右します。
介護でよく使われる媒体には、次のようなものがあります。
- ジョブメドレー:医療・介護・福祉に特化した求人媒体。成功報酬型で、スカウト機能を持つ
- カイゴジョブ:介護に特化した求人・転職サイト
- 介護ワーカー・きらケア(レバウェル介護) など介護専門の媒体
- Indeed・求人ボックス:職種を問わない求人検索エンジン。介護でも広く使われる
汎用のRPOは、これらの介護専門媒体を扱わず、一般の転職サイト中心のことがあります。まず、自施設がすでに使っている、あるいはこれから使いたい媒体を運用してもらえるかの確認が必要です。
なお、ジョブメドレーを使う、あるいは使いたい場合は、その事業者がジョブメドレーの採用代行パートナーかも確認するとよいでしょう。2026年にジョブメドレーは「採用代行パートナー規約」を新設し、これに同意して社内審査を通った事業者でないと、ジョブメドレー上での採用代行に正式に関わることができません。
なお、求人媒体から応募者が発生すると、採用管理システム(ATS)と呼ばれるシステムの導入を検討することもあります。関係、医療・介護・福祉に向いたATSの選び方は、医療・介護・福祉・保育業界のATS選定ガイドで解説しています。
介護RPOを導入する流れ
介護RPOの導入は、〈問い合わせ→採用要件のヒアリング→求人媒体の選定と求人設計→スカウト運用→応募者対応・面接調整→採用〉という流れで進みます。 専任の採用担当者がいない事業所ほど、応募者への初回対応の速さが採用の成否を分けます。
導入前に整理しておくこと
問い合わせの前に、次の3点を整理しておくと、各社との話が早く進みます。
- 採用ターゲット:どの職種(訪問介護員・介護職員・ケアマネジャー等)を、何人、いつまでに採りたいか
- 使う媒体:すでに使っている媒体、これから使いたい媒体
- 予算の上限:月額と、採用が決まらなかった場合に許容できる総額
なお、横断的に医療・看護・福祉も含めて比較したい場合は、【許可番号つき】医療・介護の採用代行(RPO)11社比較|職種別の選び方【2026年版】もあわせてご覧ください。本記事は、そのなかでも介護に絞って深掘りしたものです。
まとめ
介護のRPO(採用代行)を選ぶときは、次の3点で比べてください。
- 自施設が求める業務が得意かどうか(スカウト、人材紹介会社とのやり取り、面接まで。訪問・施設・通所で必要な業務が変わる。任せたい業務を先に決めて、比較表の「業務内容」欄と突き合わせる)
- 有料職業紹介の許可があるか(許可番号を公開しているか。スカウトや候補者選定を頼むなら必須。料金や実績は許可を代替しない)
- 料金の形式と総額(最低契約期間まで含めて比べる)
まずは任せたい業務をはっきりさせ、比較表でそれを担っている社を絞り込み、そのうえで許可番号と料金の総額を確認してください。
著者について
宮前 貴史(株式会社プロリク )
大学卒業後、個人事業主として約5年半にわたり、BtoC・BtoB領域で営業から企画・運営までを一気通貫で経験。その後、ベンチャー企業にて採用担当として制度設計に従事し、さらにRPOサービスの立ち上げ責任者として、スカウト業務の仕組み化から実践までを牽引。プロリク参画後は、その豊富な実務経験を活かし、ITエンジニアのスカウト業務を中心に複数クライアントの採用成功を支援している
よくある質問(FAQ)
Q: 介護の採用代行(RPO)の費用相場は? 月額固定型と成果報酬型があります。月額固定型は月5万〜35万円程度、成果報酬型は1名あたり10万〜数十万円が目安です。ただし月額固定型は最低契約期間があるため、総額で比べる必要があります。領域を問わない汎用的な採用代行会社では、月40〜70万円程度になることもあります。
Q: 介護の採用代行と人材紹介は、どちらが安いですか? 人材紹介の手数料は年収の20〜35%が相場です。採用代行の月額単価は数万円〜数十万円に抑えられます。加えて介護では、有料職業紹介経由の早期離職率が訪問介護員で29.1%と高く、紹介で採ってもすぐ辞めると採り直しの費用がかかります。定着まで含めた総額で比べると、採用が続く事業所ほど採用代行の方が割安になりやすい傾向があります。
Q: 訪問介護・施設・デイで採用代行の使い方は変わりますか? 変わります。訪問介護はヘルパーの絶対数が足りず、条件の合う人を探し出すスカウトの比重が高くなります。施設や通所は、応募後の対応や面接調整に手が回らないことが多く、その部分の代行が中心になります。任せたい業務が施設形態で変わるため、比較表の「業務内容」欄で対応範囲を確認してください。
Q: 介護の採用代行に有料職業紹介の許可は必要ですか? 依頼する業務によって変わります。求人原稿の掲載や面接日程の調整だけなら不要ですが、候補者に合わせたスカウト文面の作成や応募者のスクリーニングなど、候補者の選定にふみこむ業務には、有料職業紹介事業の許可(職業安定法30条)が必要です。介護ではスカウトまで依頼することが多く、その場合は許可が関係します。料金や実績の良さは許可の有無を代替しません。依頼したい業務の範囲とあわせて、各社に許可番号を確認してください。
Q: カイゴジョブやジョブメドレーの運用も任せられますか? 多くの介護特化RPOが対応しています。ただしジョブメドレーは、2026年に「採用代行パートナー規約」を新設したため、この規約に同意し審査を通った事業者でないと、ジョブメドレー上での代行に正式に関われません。任せたい媒体を扱えるか、比較表の「対応媒体」欄と各社への確認で見てください。
Q: 小規模な介護事業所でも導入できますか? できます。むしろ施設長が採用を兼任している小規模事業所ほど、応募者対応の遅れが課題になりやすく、RPOの効果が出やすい傾向があります。月額の低いプランや、部分的な委託から始められるサービスもあります。
Q: 成果報酬型と月額固定型は、どちらが向いていますか? 採用数の見込みで変わります。採用が少数、あるいは決まるか読めない場合は、採用が決まるまで費用のかからない完全成果報酬型が安全です。継続的に多く採用する場合は、月額固定型の方が1人あたりのコストを抑えられることがあります。最低契約期間を含めた総額で比べてください。
Q: 候補者の個人情報を採用代行に渡しても安全ですか? 候補者の資格・経歴といった機微な情報を外部に預けるため、秘密保持契約の締結と、情報管理体制の確認は必須です。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証(ISO27001)やプライバシーマークを取得しているかを、各社の公開情報で確認してください。